今回はインターネット関連用語の中でもよく耳にする「プロバイダ」について解説したいと思います。
正式にはインターネットサービスプロバイダ(略してISP)といいます。
よく耳にする割に定義がよくわからない「プロバイダ」ですが、プロバイダを選ぶことは、毎月の料金はもちろん普段のインターネットの使い心地も左右する重要な選択です。
これからプロバイダを決める予定の方は、ぜひ本記事を参考に選んでみてください。
1. 要するにプロバイダって何?
「プロバイダ」とはズバリ「インターネットを使うために必要なサービスのひとつ」です。
ひとつと言ったのには訳があります。
多くの人は「プロバイダと契約すればインターネットが使える」と誤解していますが、ふだん皆さんがインターネットを使う際は、NTTに代表されるような通信会社(回線事業者)とプロバイダ(接続事業者)の2つの会社を通じて通信を行っています。
インターネット契約は近年「ソフトバンク光」などのように、プロバイダと通信回線がセットになっていることが多くなり、2つの会社のサービスを利用している認識が薄れてきました。
しかし、実際には上の図のように、通信会社(NTTやKDDIなど)の光ケーブル等とプロバイダ会社の通信設備が接続して、初めてインターネットが使えるようになります。
また、この図を見ると、光回線などの通信回線設備や利用者数だけでなく、プロバイダ各社の設備や利用者数によってインターネットの使い心地に大きな影響が出てくることがわかります。
道路で例えると光回線やADSLは高速道路で、プロバイダはちょうどインターチェンジのような役割を担っています。
どんなに高速道路がスムーズに流れていても、インターチェンジが混雑していたら意味がないのは言うまでもありません。
2. プロバイダ選びのポイント
プロバイダ選びのポイントは言うまでもなく「価格」ですが、回線速度や安定度といった「品質」も非常に重要な要素と言えるでしょう。
一般に大手プロバイダーは高品質を売りにしている会社が多いです。
また高速道路で例えると、利用者が多いインターチェンジにはETCレーンをたくさん設置しているように、契約者数が多い大手プロバイダはバックボーンの容量を増強しているというわけです。
ただし、大手になるほどバックボーンが大きくなる半面その回線を利用する契約者数も多くなるため、一概に大手であるほど回線速度が安定するわけではないということにも気を付けないといけません。
大きなETCレーンが多くても通過する車が多いと結局渋滞してしまうのと同じですね。
安さと通信品質も必ずしも比例するわけではないので、実際に使っている人の口コミなども参考にしながら価格と品質の両方をよく吟味してプロバイダを選ぶ必要があります。
3. プロバイダ選びの注意点
プロバイダを選ぶ際は、携帯や電気など他の契約とセット割にできるサービスがないか注意しましょう。
最近はプロバイダも2年契約が増えており、途中で解約すると解約金がかかる場合もあるので慎重に選ぶ必要があります。
また、以前はプロバイダを選ぶ際、メールアドレスが変わらないか気を付けていた人も多かったと思います。
ひと昔前はプロバイダが提供しているメールアドレス(ドメインがプロバイダ名)と違って、gmailやYahoo!メール・outlookなどに代表される「フリーメールアドレス」では就職活動に向かないと言われていました。
しかし、昨今そのような風潮はほぼなくなり、面接官によってはむしろgmailを使っている方がITリテラシーが高い印象を感じるという声もあります。
Google全盛となった令和において、メールアドレスはプロバイダ選びにおいて重要ではなくなったと言っても過言ではありません。
4. まとめ
- インターネットはプロバイダ(OCN、so-net 等)と通信回線会社(NTT、KDDI 等)の両方があって初めて接続ができる
- メールアドレスは解約すると使えなくなるプロバイダのアドレスよりもgmailやoutlookの方がおすすめ
最近はNTTの光回線とプロバイダがセットになった「光コラボ」も多くなってきて、窓口が一つになった分、以前よりもユーザーにとってわかりやすくなってきました。
一方でプロバイダと回線事業者の違いがイメージしづらくなったとも言えます。
繰り返しになりますが、光コラボを選ぶ時は、プロバイダという概念も念頭においておくことが重要です。
なお、光コラボについては別記事でまとめてありますので、そちらもぜひご覧ください。
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