今まで電気代は東京電力をはじめとした地域の電力会社に支払うのが当たり前でしたが、2016年4月からは他の会社も選べるようになりました。
今回は今さら聞けない電力自由化の基本について解説したいと思います。
1. 電力自由化とは?1995年スタートって本当?
電力自由化とは1995年にスタートした電気市場の規制緩和のことです。
まずは発電が自由化されていましたが、2016年4月に電力の小売りも自由化されました。
それを受けて、今までは強制的に地域の電力会社一択だったのに対し、2016年4月以降は私たち消費者が自由に電力会社を選べるようになりました。
例えばみなさんもENEOSでんきのCMなどは見たことがあるのではないでしょうか。
2. 電力自由化のメリット
電力自由化のメリットは何と言っても料金が安くなることです。
新電力会社そのものだけでなく、携帯会社やガス会社とのセット割などもあるので、通信費用などと合わせてコストカットすることができるため、家計への影響も非常に大きくなります。
3. 電力自由化のデリット
一方で電力の自由化とは今まで国が規制していた価格が撤廃されることなので、例えば燃料が高騰したりすると、かえって料金が高くなる可能性もあります。
競争原理で価格が下がることもある反面、需要バランスで高くなる危険もあるわけです。実際にドイツやイギリスなどの海外では自由化により逆に値上がりした例もあります。
4. 電力自由化でよくある疑問6つ
Q1.初期費用が必要ですか?
A1.必要ありません
一部電力会社によっては事務手数料が必要な場合があります。
Q2.立会い工事は必要?
A2.必要ありません
スマートメーターへ交換が必要ですが、作業は建物の外側だけなので特に立会いは不要です。
Q3.賃貸マンション・アパートでも変更できる?
A3.変更できる場合とできない場合があります
建物全体で指定の電力会社と契約している場合など管理会社によっては変更できない場合があります。
Q4.会社を変えたら停電が増えたりするのでは?
A4.変わりません
「送配電」という電気の供給自体は今までと同じ地域の電力会社が行います。
Q5.契約した会社が倒産したらどうなるの?
A5.新しい会社に契約を変更する必要があります
セーフティーネットとして変更するまでの間は地域の大手電力会社(東京電力など)から電力供給を受けます。
Q6.電力会社がたくさんあるけど、みんな発電所を持ってるの?
A6.いいえ。持っていない新電力もたくさんあります
東京ガスやENEOSでんきなど自前の発電所を持っている会社もありますが、多くは大手電力会社等と提携したり、地域電力会社等が卸売りしている「電力市場」で電気を買取るなどして電気を調達しています。
スマートメーターとは
出典:東京電力ホールディングス
スマートメーターとは検針員の訪問が不要な新しいタイプの電力量計のことです。無線でデータを送るため、電気使用状況を遠隔で計測できます。
大手電力10社は2024年までに日本の全世帯をスマートメーターに転換予定で、新電力に切り替えたり家を新築した際は原則スマートメーターになります。
5. まとめ
一部値上がりのリスクや長期契約などの違約金など注意点もありますが、使い心地も変わらず月額料金が安くなるとなれば検討しない手はないでしょう。
契約しているインターネット回線や携帯会社、ガス会社なども念頭に入れながら、ぜひ新しい電力会社を検討してみてください。