電力自由化に続き、今ではガス会社も自由に選べるようになりました。
しかし、電気と違いガスは建物によって都市ガスやプロパンガスなど供給方式に違いがあります。
詳しく見ていきましょう。
1. ガス自由化とは?
2016年の電力自由化に続き、2017年4月にはガス会社も自由に選べるようになりました。
ただし、今回自由化と言っているのは東京ガスや大阪ガスなどといった都市ガスのお話で、プロパンガスについては既に自由化されていました。
しかし、一般的にプロパンガスより都市ガスの方が料金が安いため、戸建を建てる時など両方選択できる場合は都市ガスを選ぶ人が多いのが実情です。
一方で、プロパンガスはアパートなどで1棟まるごと契約して設備を導入している場合も多く、そういった建物は賃貸契約とセットになっているため都市ガスは利用できないようになっていることがほとんどです。
また、プロパンガスは火力が強力という特徴を活かして飲食店などで利用されるケースも多々見られます。
2. ガス自由化のメリット
私たち消費者にとってガス自由化のメリットは電力同様に料金が安くなる可能性があることです。
ENEOSや東京電力・東京ガスなど、電力とガスのセット割でさらに割引が見込める場合もあるでしょう。
3. ガス自由化のデリット
こちらも電力自由化と同じで、価格が変動することによる値上がりのリスクがあることです。
ただし、これはガス業界全体の話で、2021年現在のところ電力の市場連動型のような卸売価格の上下に月額料金が左右されるプランはなく、電力と同じような調達コストの影響によって毎月の料金が上下するリスクがあるわけではありません。
4. ガス会社切り替えでよくある疑問6つ
Q1.初期費用が必要ですか?
A1.必要ありません
一部ガス会社によっては事務手数料が必要な場合があります。
Q2.立会い工事は必要?
A2.必要ありません
基本的に必要ありません。ただしすでにガスを使っている場合であり、引っ越してきて初めて使う場合は、開栓の立会いが必要です。(ガスも電力同様にスマートメーターへ交換をすすめていますが、会社切替のタイミングで交換は行っていません。)
Q3.賃貸マンション・アパートでも変更できる?
A3.変更できる場合とできない場合があります
プロパンガスを導入している建物や建物全体で指定の都市ガス会社と契約している場合など管理会社によっては変更できない場合があります。
Q4.ガス漏れなどトラブル発生時の対応が変わる?
A4.トラブルによっては変わります
ガス漏れなど緊急度が高いトラブルは従来と同じですが、ガスがつかないといった軽度のトラブルは認定資格を持った新ガス会社の作業員が訪問します。(トラブルの中身にかかわらず問合せはまず、新しいガス会社へ行います。)
Q5.契約した会社が倒産したらどうなるの?
A5.新しい会社に契約を変更する必要があります
セーフティーネットとして変更するまでの間は地域ガス会社(東京ガス・大阪ガスなど)からガス供給を受けます。
Q6.新しいガス会社はガス設備を持ってるの?
A6.いいえ。道路の地下にある配管など多くは地域ガス会社の設備です。
言い換えると、電力と同じくガス供給の仕組みは変わらないためガスの質が落ちたりすることはないということです。また、国は2022年を目途に配管設備なども地域ガス会社とは別の会社で事業化する方向で動いています。
ガスのスマートメーターについて
5. まとめ
ガスも電気同様に自由化による価格競争のおかげで、わたしたちは光熱費のコストダウンというメリットを享受することができます。
東京ガスなどの地域の都市ガス会社と契約している人は、ぜひ一度ガス会社の変更を検討してみてはいかがでしょうか。