高額な家電を買う時は、価格はもちろん、「修理・保証」といったアフターサービスも大切です。
せっかく安く購入できても、故障した時に修理代金が保証されないと却って高くついてしまう可能性も。
今回は、日本を代表する5大家電量販店の“延長保証”を調査していきたいと思います。
1. 延長保証の期間は3年から最長10年まで
まずは、保証を受けられる期間について見ていきましょう。
各社とも「1年目についてはメーカー保証を利用する」「商品の種類によって保証期間が変わる(壊れにくいものは長期)」という部分は共通しています。
しかし、2年目以降の延長保証期間については各社まちまちで、「ビックカメラ・ケーズデンキ・エディオン」については冷蔵庫やエアコンなどの一部商品に限りますが「10年間保証」などのサービスもあります。
延長保証の保証期間
- ヨドバシカメラ:5年
- ビックカメラ:3・5・10年
- ヤマダ電機 : 4・6(無料)/3・5年
- ケーズデンキ: 3・5・10(無料)/3・5年
- エディオン:3・5・10(無料)/5・10年(タブレットは3年)
ヤマダ電機やケーズデンキ、エディオンは、有料延長保証の他に無料の保証もあります。
ただし、この無料保証は「エアコンや冷蔵庫・テレビ・洗濯機」といった特定の商品や購入金額の条件を満たした場合に保証されるもので、どんな商品でも保証してくれるわけではありませんが、それでも無料で延長保証してくれるというのは大変魅力的と言えるでしょう。
ちなみに、どの量販店も保証の対象となるのは、原則自然故障のみで、落下や水漏れなど過失による故障は対象外となっています。
また、「リモコン」など本体以外の付属品も保証の対象外です。
2. 期間中の修理は何回まで?
修理の回数についても、各社ルールが違います。
有料・無料、購入商品などによって修理可能回数が変わったりと複雑ですが、ケーズデンキの「無料保証でも無制限」は他社と比べて頭2つ以上抜けているといってもいいかもしれません。
延長保証の修理回数
- ヨドバシカメラ:1回(洗濯機・エアコン・14型以上のTV・冷蔵庫は無制限)
- ビックカメラ:累計で購入金額の80%分まで
- ヤマダ電機 :無制限(無料保証のみ・有料は累計で購入金額分まで)
- ケーズデンキ:無制限(無料・有料どちらでも無制限)
- エディオン: 累計で購入金額分まで
ヨドバシカメラの修理回数は基本1回ですが、「洗濯機・エアコン・14型以上のテレビ・冷蔵庫」に限り無制限となっています。
また、ビックカメラ・ヤマダ電機とエディオンの有料保証は修理金額の条件付きで無制限となります。
3. 修理代金は全額保証される?
そして、実際に修理となった場合に、保証してもらえる修理代金の限度額も気になるところですが、各社独自ルールがあるため注意が必要です。
延長保証の保証限度額
- ヨドバシカメラ:2年目[購入金額の80%]/3年目[70%]/4年目[60%]/5年目以降[50%]
- ビックカメラ:2~5年目[購入金額の80%]/6年~10年[30%]
- ヤマダ電機: 有料保証[購入金額の100%]/無料保証 2~3年目[100%] 4年目以降[技術工料のみ]
- ケーズデンキ:有料保証[修理代金の100%]/無料保証[修理代金の100%]
- エディオン:有料保証[購入金額の100%]/無料保証[100%]
ヨドバシカメラ・ビックカメラは2年目以降の保証限度額が減少
ヨドバシカメラとビックカメラは2年目以降、保証限度額は減少します。
まず、ビックカメラについては購入してから2~5年目については保証限度額が購入金額の80%まで(80%を超える場合、代替品と交換し同時に保証も終了)となり、6年~10年は上限30%までと減少してしまいます。
さすがに80%を超える修理代金はそうそう発生しないとは思いますが、6~10年目の30%はやや心許ないかもしれません。
続いて、ヨドバシカメラですが2年目:購入金額の80%、3年目:70%、4年目:60%、5年目以降:50%と年々減少していきます。
さらに、実施に修理する際は、「一旦修理代金をユーザーが建て替えて、後日店頭で保証限度内の金額分をポイント還元する」という少し変わった仕組みとなっています。
ヤマダ・エディオンは条件付で全額保証
ヤマダ電機は無料保証の場合2~3年目は100%です。
しかし、4年目以降は技術工料のみ保証して、部品代・出張費はお客様負担となるため、4年目以降に修理する場合ある程度の出費は見込まなければならないでしょう。
一方、有料保証の場合は購入金額の100%まで(2回以上修理した場合は累計100%まで)となっています。
エディオンについては無料・有料保証ともに購入金額の100%まで(2回以上修理した場合は累計100%まで)保証されます。
ケーズデンキは有料・無料関係なく全額保証
ちなみにケーズデンキは、なんと「購入金額の○○%まで」などの上限がなく「修理代金そのもの」を100%保証しています。
さらに無料・有料保証ともに「100%保証」と、他社よりもかなり手厚いと言えるでしょう。
4. 有料延長保証の料金は各社横並び
そして、気になる「有料の延長保証料金」についてですが、各社ほぼ横並びで、税込購入金額の5% 程度が基準となっています。(ヤマダ電機は、購入金額が税込33,000円未満の場合1,100円で統一)
また、およそ1万円以上の商品でないと有料の延長保証が申し込めない会社も多いようです。
なお、エディオンについては、「エディオンカード(年会費:税込1,078円)に加入すれば無料保証の対象品目が増える」という独自のシステムを採用。クレジット機能がいらない場合はIDカード(年会費:税込2,200円)でも可。また、別途ギフト用の有料延長保証もあります。
ちなみに、ヨドバシカメラとビックカメラは有料延長保証料金を別途支払うのではなく、購入商品の還元予定のポイントから払います。(ポイント還元が10%ではなく5%となる)
店舗で払う金額が上がるわけではないので、節約心理的には申し込みやすいと言えるかもしれません。
5. 総合的にはケーズデンキ、エディオンが充実
ここまで各社の保証サービスについて比較してきましたが、有料・無料や保証される内容・金額をまとめると以下の通りとなります。
ビックカメラやヨドバシカメラは、ポイントで申し込みできるところがユニークな反面、高額商品に対しては、保証内容が若干物足りない印象。
ヤマダ電機の無料の4・6年保証も4年目以降の部品代や出張費が自己負担となる点は注意が必要です。
一方、エディオンは無料・有料ともに保証金額や保証期間が充実しており、高額商品でも安心と言ってもいいかもしれません。
しかし、その中でも特に、「長い保証期間」に加え、有料無料を問わず「回数も金額も無制限」というケーズデンキは、群を抜いて手厚い保証となっているのがわかります。
「新製品が安い」をキャッチコピーにしているケーズデンキですが、長期保証の充実度も目を見張るものがあります。
6. まとめ
一見同じように見える保証サービスですが、細かく比べてみると、思いのほか各社特色があることがわかりました。
記事内容には万全を期していますが、実際に商品を購入する際は、事前に公式ホームページや店舗スタッフの方へ「保証の対象かどうか」や「保証期間」など、必ず確認することをおすすめします。
最後に各社の保証サービスのページリンクを記載しておきますので、ぜひ参考にしてください。
ヨドバシカメラ
有料保証:延長保証(ゴールドポイントワランティ)
ビックカメラ
有料保証:長期保証
ヤマダ電機
無料保証:無料長期保証
ケーズデンキ
無料保証:長期無料保証
有料保証:有料延長保証
エディオン
無料保証:あんしん修理保証
有料保証(有料カード会員向け):長期修理保証
有料保証(カード会員以外またはギフト用):有料延長保証